愛のぬくもりだけを胸に

SixTONESとドラマと活字と、時々ラジオ。

好きを殺さないために。

素敵な景色見たり、それから美味しいものを食べたりしたら誰かに伝えたくなる気持ちあるでしょ?

何かを好きになる感情っていうのは、言葉にして誰かにちゃんと伝えないと心が麻痺してしまうらしいよ。

要するに、好きなものがあるのに長い間ずーっと誰にも言えないでいると、心が感動する必要性がないっていう風に判断して、何かを好きって感じることすら辞めてしまうんだって。怖い言い方しちゃうけど、好きが死んでしまうんです。

 

今期のイチ押しドラマ「お耳に合いましたら」の第1話を観ていて、美園と一緒に歯磨き粉を飲み込んだ。ハッとした。

 

 

 

中高時代、生粋のジャニオタだった私の周りには、同じ熱量で同じグループを好きな友人や、グループは違えどジャニオタの友人、ジャニーズ以外の熱烈な推しがいる友人がいて、朝から晩まで推しの話をしていた。好きな友人が好きなことについて全力で語る姿は何故だか眩しくて、異文化交流も楽しくて、オタクという共通点があるだけで全然タイプの違う人間と仲良くなれて、「愛は地球を救う」改め「推しは地球を救う」と本気で思っていた。

 

大学に入って、リアルの世界に忙殺され、ジャニーズが少しだけ遠ざかった。仲の良かったオタク友達も散り散りになってしまった。それでも推しを愛する気持ちは変わらなかった。なのに、持ち前の引っ込み思案と、推しを語れる程に推しを摂取できていない罪悪感から、次第にジャニオタだと名乗ることさえ避けるようになってしまった。

言えなくなった思いは、段々、初めから無かったことのようになっていった。本当はまだ大好きなのに、大好きだったはずなのに、好きじゃないみたいになっていった。

新しくハマった世界もあって、その界隈の話をする友人も出来て、それはそれで勿論楽しかったのだけど、自分の根っこにあるジャニーズの話をする機会はほとんど無くなっていた。

 

就職して、いよいよ好きなものの話をすることが無くなった。仕事と家との往復で疲れ果て、これがあと何回、何十年続くのだろうと身震いする日々。

ふいに、昔の推しをもう一度全力で推したくなったけど、空白の時間を埋めるだけの気力が無かった。懐古厨止まりだった。

 

社会人1年目の冬、中高時代のオタク友達から久々に連絡があった。彼女はジャニーズ以外の界隈の熱烈なオタクだった。当時からお互いにお互いの推しを布教しつつもお互い絶対にハマらず、なのにつかず離れずもう10年以上の付き合いだ。

「まさかのジャニーズにハマった」

あれだけ長年布教し続けたにも関わらず、びくともしなかった彼女が、唐突にジャニオタになっていた。衝撃だった。

話を聞くと、SixTONESのデビュー曲に堕ちた、ということらしい。ジャニオタだった当時、Jrには全く興味がなかった私は、不覚にも彼らについての知識が皆無だった。スノープリンスだった森本慎太郎くん、京本政樹の息子、聖の弟、ハーフの子、黒の女教師に出てた子、あともう1人、程度の知識だった。同時デビューのことは勿論知っていたけれど、ほとんどSnow Manと区別もついていない状態だった。

とりあえず見てほしいと盗撮っぽい動画のURLが送られてきて、盗撮かよ思ったら公式だった。JrのYouTubeチャンネルが誕生していたことも知らず、LIVEの盗撮風動画が公式にUPされていることに衝撃を受けた。これが令和か。他にも色々動画が送られてきたけど、丁度仕事が忙しい時期だったからなのか何なのか、ちゃんと見ることもせず相槌を打っていた。今思えば、当時の自分は心が麻痺していたのかもしれない。好きが死んでいたのかもしれない。

 

時は流れ、2021年1月。年末年始関係なく仕事だったため、年が明けて暫くしてようやくまとまった休みが貰えた。録り溜めていた正月番組を流し見していた時のことだった。紅白大好き家族に育てられた私は、1人暮らしを始めてからもしっかり直前番組まで録画しており、特にここ数年はけん玉企画を結構楽しみにしていた。本番はリアルタイムで観ていたけど、どうやら直前番組でもけん玉の話題があったらしい。

とは言っても三山ひろしガチ勢という程でもないから、まあ流し見してすぐ録画消すか、年末年始の録画三昧で容量カツカツだしな、ぐらいのテンションで直前番組をぼーっと見ていた。お、けん玉のターンだ。あら、友達がゾッコンのSixTONESではないか。けん玉やるんや。これ生放送でやるのは結構緊張するだろな~。お、ジェシーすごい、

 

あ、京本くん外した・・・・・・・

 

 

え、、、、可愛い?

 

けん玉できないもん、できないもん~

 

 

え??可愛い、、、、、

 

あら、もう1回やるんや、、、

 

また外した・・・・

 

 

 

か、かわいい!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

ちょっと待ってくれ。私は今何を観た?

京本大我くんのことは認識していた。ずっと前から。NEWSのバックで踊ってたりしてたよね、NHKの時代劇も出てたりしてたよね。SixTONESのことは全然知らなかったけど京本くんは一番知ってる。知ってたのに。こんな可愛いなんて聞いてない、それは知らない。

そのままYouTubeを開き、取り急ぎ京本大我で検索した。ファンの人が作った「きょも可愛いまとめ♡」みたいな動画めっちゃ見た。ただ可愛かった。そしておすすめの動画に出てきた「うやむや」。ついこの間UPされてる、ジャニーズなのにイラストなのね、と何の気なしに再生した。沼だった。意味が分からなかった。ジャニーズじゃなかった。

ジャニーズから離れていた数年、邦ロックに目覚めて貪るようにあらゆる音楽を聴いていた。それが功を奏したのかもしれない。ジャニーズっぽい曲はもういいやというお年頃(?)だった自分にガン刺さりだった。この曲はヤバイと全身の細胞が訴えていた。

 

それからは早かった。友人から約1年前に送り付けられていた動画を震える手で確認したら、Jr.祭りのIN THE STORMとカラオケでイミレ歌ってみた動画だった。センスしかないセレクトだった。つい数日前に配信ライブが行われていたことを知り愕然とした。自分は全てにおいて遅かった。

まとまった休みは、これまでのYouTube動画を見るための休みと化した。幸せだった。推しを推し始める瞬間の昂ぶりは、人生でそう何回もあるものじゃない。この瞬間って、何年経っても、もしかしたら死ぬ間際まで尊い思い出として記憶され続けるんじゃないかな、なんて思いながら推しを摂取した。

 

SixTONESとの衝撃的な出会いから約8か月。推しが世間に推されている瞬間に推せていること、一緒に推しを推し上げられることに喜びを感じる毎日。昔の推しグループはグループ活動がまるで少なく、年1シングルが出れば万々歳みたいな時代もあったから、今の恵まれようにひれ伏すしかない。溺れる程の供給を受け、文字通り溺れている。

でも、職場で好きなものの話をすることはない。私を沼へと誘ってくれた唯一のオタク友達は遠方に住んでいて滅多に合えない。好きを誰かに伝える機会がまるでない。

 

そんな日々の中で、「お耳に合いましたら」を見た。冒頭の台詞に愕然とした。こんなに好きなのに誰にも伝えていないのって、、もしかして私は、、、好きを殺している・・・?

 

私は、私が好きなものを、好きだと言い続けたい。

中高時代のように、リアルの世界で叫べなくても、誰にも読まれていなかったとしても、誰かに伝えたい。

 

 

6年前にアカウントを作って、書いては消してを繰り返して結局続けられぬままだったブログを、もう一度初めてみようと思い立ちました。

 

もふと言います。

私が好きなものを、いつまでも好きでいられるように。思いのままに綴っていきます。

よろしくお願いします。